今住宅業界をざわつかせているワードとは
こんにちは!RISINGの遠藤です。
今住宅業界で大騒ぎになっているワードについて、お知らせ致します。
そのワードは「ウッドショック」。
今回は、家づくりを検討されている方に大きく関係してくる「ウッドショック」についてお伝えします。
1.ウッドショックとは
まずウッドショックとは、輸入木材の供給不足から派生し、国産材を含む建築用材の供給が不安定になり、価格が高騰している状態のことです。
過去に「オイルショック」という現象があり、日本でもトイレットペーパーの買い占めなどがニュースとして取り上げられていましたね。
2.なぜウッドショックが起きたのか
様々な要因が重なっていることも事実ですが、やはりコロナウイルスの影響が非常に大きくあるようです。
①海外でもおうち時間が増え、家の環境を良くしようと家を建てる人が増えてきた。
②海外での木材使用量が増え、日本への輸出量が減ってきている。
③コロナの影響で船で運んでくるための貨物やタンカーの数を縮小している。
そして、今後さらに日本への木材輸入量が減る可能性があります。
3.なぜ国産材を活用できないのか
現在日本の国産木材全体の自給率は37.8%(2019年時点)となっています。少しずつ自給率は上がってきていますが、まだまだ日本で使用される木材の多くが海外から輸入したものに頼っている状況となっています。
なぜ輸入木材のほうが需要があるのかと言うと、簡単に言えば安いからという理由があります。
日本は海に囲まれた小さな島の中で、非常に多くの面積を山が占めています。つまり木がある場所の多くが山の斜面に生えているので、その木を切って運んでくるだけでも相当な労力が必要になります。さらに木は植樹してから伐採までに30年~40年かかります。国産材を使用するにも山の斜面での管理にはお金と時間、労力が必要になることもあり、輸入木材よりも価格が高くなってしまいます。
輸入木材については、日本よりも広い国土で日本よりも多くの木が生えています。そして日本のように斜面に生えているのではなく斜面の少ない平地にも多く木があるので管理の手間も伐採して出荷する手間もかからないので国産材よりも安く手に入るのです。
4.今後起こりうる可能性
このまま木材の輸入量が減っていけば、今後住宅用木材のさらなる価格上昇や、木材不足による工期の遅れが発生する可能性があります。
価格が高騰し続けていけばお客様に提出する金額にも影響が出てきますし、工事を始めようにも材料が無いので1,2か月待たないといけない状況になります。
5.ウッドショックで住宅価格は上がるのか
ウッドショックだけでは影響は大きくないけれど、ほかの建材も高くなっているため、全体として値上がり傾向です。
一般的な木造住宅の見積もり金額のうち木材が占めるのは1割前後で、2,000万円の家で200万円ほどです。
その木材価格が2割上がったとすると40万円アップです。
小さな金額ではありませんが、2,000万円に対してはすごく大きいわけでもありません。40万円ならどこか削れば減額できないこともありません。
しかしながら、木材以外の建材や設備も値上がりしています。
住宅設備は4月に価格改定があり、値上がりしました。
また原油価格高騰を受けて、鉄製品を中心に様々な建材が値上がりしています。
結果的にあらゆる部材・建材・設備が高くなり、建築費全体が高くなっているのが現在の状況です。
今後も下がることはまずないと考えられます。
まとめ
ウッドショックは現在既に起こっています。そしていつまで続くかも簡単に予測することはできません。今まで木材のおよそ6割は海外の輸入材に依存しており、現状日本の林業だけでは国内の産業をまかなえないのでどうしても海外の影響を強く受ける立場になります。
弊社では、今後の工事契約に際しては下記について協議させていただく可能性があるため、契約書にウッドショックに関する条項を加えることとなりましたので、ご了承いただきますようお願い申し上げます。
1.構造材等の樹種変更の可能性
2.納期遅延の可能性
3.価格変更の可能性
今後も動きがあればBLOGでご案内していきたいと思います。